アクイジションに効果的なキャンペーンの作り方とは?
新規顧客の獲得、「アクイジション」は、企業成長の要とされていますが、その過程は単純なものではありません。
この記事では、アクイジションの本質と、成功へ導くキャンペーン施策の選定から具体的な手法までを解説します。
市場の変動が激しいなか、効果的なアクイジション戦略は、単に新しい顧客を引き寄せるだけでなく、企業と顧客の間の強固な関係を築くための鍵となります。本記事を通じて、その重要性を再確認してください。
この記事の目次[非表示]
- 1.アクイジションの基本
- 1.1.アクイジションとは
- 1.2.純顧客価値と「総顧客価値」「総顧客コスト」
- 1.3.アクイジションの重要性
- 1.4.リテンションとの違い
- 2.効果的なアクイジション施策の選定
- 2.1.アクイジション施策をポイント
- 3.アクイジション施策の具体的な手法
- 3.1.商品バーコードを活用したキャンペーン
- 3.2.QRコードを使った販促キャンペーン
- 3.3.人気のキャラクターとのコラボキャンペーン
- 3.4.SNSを活用したフォロワー限定のキャンペーン
- 3.5.参加型のタグ付け投稿キャンペーン
- 3.6.LINE友だち限定キャンペーン
- 4.まとめ
アクイジションの基本
アクイジションのプロセスとその根底にある価値判断について理解を深めることは、ビジネスにおいて不可欠です。ここでは、アクイジションの定義と、それに関連するキーとなる概念、そしてこれらがなぜ現代の競争市場において重要なのかについて解説します。
アクイジションとは
アクイジション(Acquisition)とは、新規顧客を獲得することです。自社の商品やサービスに興味を持っている人を見つけて、購入につなげるまでの手法を指します。新規顧客の獲得は、自社のことを知ってもらうところから始まるので、大きなマーケティングリソースを必要とします。
そのため、既存顧客よりコストと時間が約5倍もかかると言われる「1:5の法則」としても知られています。
純顧客価値と「総顧客価値」「総顧客コスト」
純顧客価値(Net Customer Value、NCV)とは、品質や費用に対する総合的な価値判断で、「総顧客価値」と「総顧客コスト」の差によって算出されます。
「総顧客価値」と「総顧客コスト」
総顧客価値 |
製品価値 |
製品の機能性や品質、信頼性など |
サービス価値 |
購入前後のサービスや顧客サポートなどの付加サービス |
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従業員価値 |
従業員の専門知識やアドバイスなどの対応や態度 |
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イメージ価値 |
ブランドイメージなど |
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総顧客コスト
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金銭的コスト |
製品やサービスを手に入れるための費用 |
時間的コスト |
製品の購入、使用方法の習得に費やされる時間 |
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エネルギーコスト |
製品やサービスの購入、設定、維持、などに必要な労力 |
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心理的コスト |
購入の不安、製品に関連するリスクからくるストレス |
顧客が純顧客価値が大きいと感じた場合に購入に繋がり、また購入後の利用で総顧客価値が小さいと感じられると解約となったり、リピート購入されなくなる可能性が高くなると言われています。
この考え方に従えば、購入を実現させるためには、純顧客価値が大きいと感じられるような様々な働きかけが必要となります。新規顧客と既存顧客を比べた場合、既存顧客はそのサービスの価値やコストを経験によって熟知しているため、企業側の働きかけによるコストは新規顧客に対するものよりも小さくなります。
アクイジションの重要性
B to Cでは、消費者の意思決定はその時の感情が大きく影響するため、購入までの検討期間が短くなります。 そのため、消費者の購買意欲が上がったタイミングで購入できるような仕組み作りが重要です。 ウェブサイトやSNSを活用して、商品やサービスの魅力をタイミングを合わせて伝えることで、新規顧客を獲得に大きく影響します。
B to Cのアクイジションは、新規顧客を獲得しやすい反面、継続的に売上を上げるにはリピーターの獲得が必要です。 既存顧客に対しても、商品やサービスの価値を提供し続けることで、ロイヤルティを高めることができます。 BtoCのアクイジションは、ビジネスの成長に欠かせない要素です。 自社の商品やサービスに合った施策を選択し、効果的に実施することが大切です。
リテンションとの違い
リテンションとは、アクイジションの対になるもので、既存顧客の維持・囲い込み・活用を目指すマーケティング手法のことです。自社の商品やサービスを既に利用している人に対して、メールやSNSなどで定期的にコミュニケーションを取り、満足度やロイヤルティを高めることで、解約や乗り換えを防ぎ、リピートやクロスセルなどで売上を増やすことを目的としています。
リテンションは、利益率の向上や口コミ効果などに貢献する重要な活動ですが、既存顧客のニーズや行動を把握するためにデータ分析が必要です。
効果的なアクイジション施策の選定
アクイジション施策には、様々な種類がありますが、一般的には、自社の商品やサービスに興味を持っている見込み客を見つけ、購買につなげるためのアプローチを行います。しかし、アクイジション施策にはコストがかかることも多いため、以下のようなポイントから効果的な施策を選択することが重要です。
アクイジション施策をポイント
以下の要素を分析し、自社に最適な施策を見つけることが大切です。
- 商品メインターゲットの把握
- 自社の商品やサービスの特徴やライフサイクル
- 顧客のニーズや行動パターン
- 顧客単価やLTV(顧客生涯価値)
- 市場の規模や成長率
- 競合の状況や戦略
アクイジション施策の具体的な手法
アクイジションに効果的なキャンペーンとして、以下のような例があります。
商品バーコードを活用したキャンペーン
商品についているバーコードをスマホで読み取るだけで参加できるキャンペーンです。
WEBサイトやSNS、シンプルな販促物で告知ができ、流通や自動販売機、通販など全てのフィールドが対象にできるのでリーチが長く、まだメインターゲットが広すぎて顧客特性が定まっていない場合や習慣づけなどを狙う場合に有効です。
QRコードを使った販促キャンペーン
商品や店舗にQRコードを貼り付け、スマホで読み取ることで参加できるキャンペーンです。
QRコードを読み取ると、割引クーポンやポイントがもらえたり、消費者に「手軽さ」や「楽しさ」を与えることで、購入意欲やエンゲージメントを高める効果があります。
Webサイトやアプリに誘導することができるので、商品やサービスを知ってもらう機会をつくります。
人気のキャラクターとのコラボキャンペーン
自社商品のターゲットと親和性が高そうなに、人気のキャラクターをコラボさせるキャンペーンです。コラボ相手のブランド力や知名度を生かし、商品の認知度を一気に上げます。
賞品にオリジナルのコラボグッズを抽選で当たるを告知したり、コラボ先のSNSアカウント投稿で、ファン層から認知から好感が生まれ購買意欲を掻き立てられます。
SNSを活用したフォロワー限定のキャンペーン
公式アカウントやブランドアカウントをフォローし、投稿をリポストすることで参加できるキャンペーンです。
限定アイテムや自社商品が当たる抽選により、フォロワー獲得やブランドの認知度向上を狙えるメリットがあります。
キャンペーン終了後も、つながりが持てるので自社メディアとしてアカウントが発信する情報や新たなキャンペーンをユーザーに伝えることができます。
参加型のタグ付け投稿キャンペーン
自社商品を使った写真や動画をSNSに投稿し、指定されたハッシュタグを付けることで参加できるキャンペーンです。
投稿がSNSで拡散されることで、商品の認知度向上や口コミ効果が期待できます。また、ユーザーのポジティブな投稿をリポストしたり、キャンペーンサイトに表示させることで信頼感や親近感を高めることもできます。
LINE友だち限定キャンペーン
公式アカウントやブランドアカウントをフォローし、友だち登録で参加できるキャンペーンです。
1日限定で何度でもチャレンジできる施策や専用マイページを作成してポイント獲得する施策など短期・長期どちらでも対応できる汎用性が高いキャンペーンが可能です。
キャンペーン終了後も、つながりが持てるので新たな情報発信やキャンペーンをユーザーに伝えられ、友だち数を多く獲得することで売上向上につながります。
まとめ
アクイジションは、新規顧客獲得に向けた戦略であり、企業の成長を大きく左右する要素です。しかし、成功するためには市場の深い理解、顧客のニーズの把握、及び自社の強みを活かした独自のアプローチが不可欠です。
また、リテンションとのバランスも重要で、新規顧客を獲得した後、彼らを維持し、長期的な関係を築くことが、ビジネスの持続可能な成長に繋がります。アクイジション施策はコストがかかるものの、効果的な施策選定と具体的な手法の適用を行うことで、投資対効果を最大化し、企業の競争力強化に寄与します。
なお、「アクイジションを目的にキャンペーンを実施したい」という方は、ぜひデジタルラインまでご相談ください。